稲の収穫時期の前に、籾すり機のメンテナンスをしておくことが重要です。機械自体のメンテンスも必要ですが、一番必要なのは籾すり機に使う「もみすりロール」です。気づかない内に消耗していたり、内側の金属部が破損していたりと、パーツを交換しなければいけないことがあると思います。
でも、いざ必要な時にどれを買えばいいのかわからないということも・・・。
今回はそんな籾すり時に必須のもみすりロールについてのお話です。
もみすりロールはその名の通り、籾殻を取るために必須の部品になります。タイヤほどの硬さのゴムロールを2個、米粒一個より小さい間隔(0.5~1.2mm)を開けてセットし、それぞれの回転数を変えて回転させることで米の籾殻を取ってくれます。
もみすりロールの製造メーカーは様々なゴム製品で有名な「水内ゴム」と「バンドー化学」の二大メーカーがほとんどです。国内ではそれぞれ約50%ずつのシェアを誇っており、基本はどちらかのメーカーのものとなるでしょう。それ以外でもこれらのメーカーのOEMの可能性が高いです。
どちらも耐久性が高く、使用頻度によっては替えてから2~3年程度使用できます。ただ、それぞれのメーカーでは適合機種がカバーできるものとできないものがあるので、ご自身の籾すり機に合うものを確認してから購入しましょう。
同径タイプの籾すり機のしくみとしては、2つのロールを高速と低速でそれぞれ回転させることで籾殻を取っていきます。
しかし、2つのロールは回転数が違うので速度の早いロールの方が消耗が激しくなります。そこで、ある程度消耗したところで左右のロールを入れ替えます。そうすることでロールの消耗を均等にし、長く使うことができます。
新しいロールを買ったら、低速側に「ここまですり減ったら左右を入れ替える」というマークを円の内側から1cmくらいのところに付けておいて、マークまですり減ったら左右のロールを交換する方法がおすすめです。
現在のもみすりロールメーカーは基本的には主軸側に耐久性の高いロールを使い、もう一つの副軸側には普通のロールを使うことを推奨しています。
水内ゴムでは主軸側に「高耐久ロール」、副軸側に「通常ロール」を使用し、左右の振り替え作業が不要の「ツインロール」を推奨しています。
また、バンドー化学では主軸用に「レッドロール」、副軸用に「ホワイトロール」を使用することで、ロールの入れ替えを必要としないメンテナンスフリーロールとして使用可能です。
大体2~3年で交換するとは言われていますが、ユーザーによって使用頻度が異なるため故障や異常以外ではゴムのすり減り具合で判断します。
一つの基準として、残りのゴム厚が3~5mmになったら替えましょう。それくらいになると籾摺りがきちんと出来なくなったり、ゴムの弾力が少なくなり米粒を破砕してしまう可能性があります。
ロールから煙が出たり、一部だけが変に摩耗したり、騒音振動が急に激しくなった場合は、ロールに異常が起こっているということになります。傷や一部摩耗など、ロール自体に異常がある場合は交換しましょう。そうならないためには、もみすりロールを回す際に下記の項目に注意しましょう。
もみすりロールのすり減り方の異常や、激しい摩耗につながらないために必要なことです。
籾すりの効率(脱ぷ率)が落ちたり、煙や騒音がひどくなった場合はこれらの点をまず確認しましょう。